9月29日は語呂合わせで「クリーニングの日」。
クリーニングの日にちなんで、クリーニング会社の名前に使われることが多い「舎」という漢字についての話をお届けします。
クリーニング会社の社名に「◯◯舎」と「舎」の字が多く使われるきっかけとなったのが、1906年創業の「白洋舍」。その後、白洋舍にあやかって、クリーニング業界の多くが社名や屋号に「◯◯舎」を名乗るようになった。
白洋舍は会社名でよく使われる「◯◯社」から着想を得て、創業当時は会社組織ではなかったため、小屋を意味する「舍」を用いたという。「舎」は旧字体では「舍」。白洋舍の社名には今でも旧字体の「舍」が用いられている。上が飛び出さない旧字体の「舍」を使うことで謙虚な姿勢を表現している。
「舎(舍)」という漢字のなりたちは、建物の形に由来する。
「舎」という漢字の意味は、広義には単に「建物」を表すが、特に下記のような意味がある。
1. やど(宿)。寝泊まりするための建物。旅人が泊まる場所を指すこともあるが、特定の職業に就く人が自宅を離れて住み込む施設を指すことが多い。「宿舎」
2. その施設の(主な)建物。「校舎」、「駅舎」
3. 訓読みで「いえ」、「や」と読み、「家」と同じで人の住む家を指す。転じて、「うちの」という意味で自分の家族や身内をへりくだって言う言葉。「舎兄」、「舎弟」
4. (家畜、動物園などの)動物を入れておく小屋。「鶏舎」、「牛舎」 、「豚舎」、「兎舎」、「ライオン舎」
5. (倉庫、工場などの)簡易的な造りの建物。「廠舎」
「舎」は「小屋」のような比較的小さな(こぢんまりとした)建物を指すことが多い(旅人が泊まる宿という意味でも小さい宿という意味合いが強い)が、「庁舎」のような比較的大きい建物に使われることもあるので、必ずしも小さい建物を指すとは限らないようだ。
同じく建物を意味する「館」との違いは・・・
「館」は訓読みで大邸宅を意味する「やかた」と読むように、大きな建物のイメージが強いが、「公民館」のように比較的小さい建物を指すこともあるので、これも必ずしも大きな建物を指すとは限らない。
「校舎=学校という施設の中のメインの建物」、「駅舎=駅という施設の中の建物」というふうに、「舎」は敷地を含めた一つの施設の中の建物という意味合い。一方、「館」は、「公民館」、「図書館」、「体育館」のように、建物そのものが一つの施設という意味合いのようだ。
「舎」という漢字は小屋や工場、倉庫などに見られる簡易的な造りの建物を意味するため、クリーニング業のイメージに合っていると言える。
クリーニング会社以外では、塾の名前にも「舎」という字がよく使われる。「学び舎(まなびや)」という意味合いからだろう。
私が病院のリネンの仕事をしていた前職の会社の本社は三角屋根の建物で、まさに「舎」という漢字を彷彿させる形だったよ。
沖縄に「コインランドリーハット(COIN LAUNDRY HUT)」というコインランドリーチェーンがあるが、「hut(ハット)」は英語で「小屋」のこと。コインランドリーは小屋のイメージであり、コインランドリーにぴったりなネーミングだ。これはクリーニング会社の名前に「舎」という漢字を使うのと似た発想だと言える。
「Hut」は「ピザハット(Pizza Hut)」、「リンガーハット(Ringer Hut)」というふうに、飲食店の名前にも使われるね。似たような意味で、漢字だと「亭」や「庵」が飲食店の名前によく使われるね。