「ホテル」考
私はホテルのリネンを扱う仕事をしています。
そこで、ホテルがどういった施設であるか、「ホテル」という単語のなりたちと照らし合わせて、考察してみました。
ホテルと言えば第一に宿泊施設だが、食事(ランチやディナー)を食べに行ったり、催し物、パーティー、ビジネスや政治関係の会合などに利用されることもあるでしょう。特に大きいホテルではそういった機能も兼ね備えている。
「ホテル(英語:hotel)」という言葉は「客をもてなす所」が原義である。そのため、宿泊施設でなくても(例えば結婚式場)ホテルと称している所もあるようだ。「客をもてなす所」が原義なのでそれもありだろう。宿泊設備があっても利用できるのは結婚式参加者のみ(結婚式場がメインで宿泊施設は結婚式場に付随する設備に過ぎない)という所もある。
英語の「hotel」は普通[hoʊˈtel ホウテル]と発音するが、フランス語由来の単語なので古風な言い方ではフランス語風にHを読まず[oʊˈtel オウテル]と発音し不定冠詞をanとすることもある。フランス語では「hôtel」とつづり[otɛl オテル]と発音する。
英語でhotelの類義語に「inn(イン)」があり、これは日本語の「宿」に近いニュアンスで主に小規模な宿泊施設を指すことが多い。一つのホテルの名前に「ホテル」と「イン」の両方を用いた所もある。Hotelは宿泊施設にプラスアルファの機能を兼ね備えていることを暗示した意味合いも持つ。
「ホテル」と「旅館」はどう違うか?
「ホテル」は主に洋風の宿泊施設を、「旅館」は主に和風の宿泊施設を指すが、厳密な区別はなく、和風でも「ホテル」と名乗っている所もあれば、和風感がなくても「旅館」と名乗っている所もある。
「ホテル」が宿泊施設を指す最も一般的な言葉として定着しているため、旅館を名乗っている所も含めてホテルと呼ぶこともある。
日本の旅館は「ryokan」として海外でも知られている。
グーグル翻訳とヤフー翻訳で「旅館」を英語に訳すと「inn」と出てきた。
日本語で「飯店」と言えば中華料理店のことだが、中国語で「飯店(ファンディエン)」はホテルのことだ。宿泊施設を指して「飯店」というのはおかしな感じがするが、ランチやディナーが目的でホテルに行くこともある点ではずれてはいない。「飯店」は基本的にレストラン付きのホテルを指す。「酒店(ヂオウディエン)」とも言い、主に「飯店」より大規模なものを指す。他に「旅館(リュィーグアン)」や「賓館(ビングアン)」とも言う。「賓館」は英語の「hotel」の原義(客をもてなす所)に近い。
中国の南方方言では「飯店」は食堂やレストランのこと。欧米の中華料理店でも日本と同じく「飯店」と書かれた看板が見られることがある。華僑・華人の多くは中国の南方から渡ったため、南方方言の影響を受けているのだろう。中華圏以外でホテルをことさらに中国風に造って「飯店」と中国語の看板を掲げるということは普通しないはずだし。
英語の「hotel」やフランス語の「hôtel」も、中国語の「飯店」も、原義は宿泊と直結していないと言えるね。